こんにちは。
くろこです。

ときどきお外に出たくなります。

お掃除のために開けてあった窓とか、
お洗濯ものを干すために開けた
ベランダからとか
みんなが出入りする玄関に隠れて
誰かが開けた拍子にとかに
ひょいっととびだします。

まだまだお外も寒いのですが、
もともとお外に住んでいたので
寒いのが嫌いでも、
お外の様子が知りたいのです。

最初はすぐ見つかってしまい、
お仕置きのように全身を
洗われます。

でもだんだん見つからないように
お外へ出られるようになりました。

玄関の中の鉢植えの陰に隠れたり、
こっそりベランダの窓を開ける人の
後ろにひそんでいたり。

時にはわたくしが外にいることすら
みんな気付かない時もあります。

だいたいお腹がすくと
茶の間の窓の下で
「ただいまぁ～」と鳴くと
誰かが気付いて中に入れてくれます。

一回お外に出れば、しばらく満足して
出ようとあまり思わないのですが、
なかなか出してもらえません。

ほんとにみんなわたくしのこと
かわいがってくれているのかしら？
と不思議に思います。





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■お勧め猫本

「愛別外猫雑記」笙野頼子著

猫文学の極北に位置する



「私は決して猫が好きなのではない。猫を飼うのも下手だ。ただ、友達になった相手がたまたま猫だった」―猫たちのために都内のマンションを引き払い、未知なる土地千葉S倉に住むことになったものの、そこも彼らの安住の地ではなかった。新しい闘いが今、始まる。涙と笑いで読む者の胸を熱くする、猫と文学を巡る奮闘記。（「BOOK」データベースより）

こんにちは。
くろこです。

猫という動物は高いところが
大好きなんだそうです。
わたくしももちろん好きなんですが、
すべての猫にあてはまるかどうかは
わかりません。

また、狭いところに入るのも
大好きです。
紙袋やお母さんの買い物かごなんか
何度叱られても入ってしまいます。


チカちゃんのベッドは２階建てで
チカちゃんは上に寝ています。
だいたい夜はわたくしも
そこへ行きます。
寒い時はチカちゃんと
お布団の中の暖かいところを
取り合ったりします。

ベッドの下は物入れになっています。
お洋服や学校で使うものやおもちゃも
入ってます。
ある日もぐりこんでくつろいでいたら
「くろこがいない」と家族で
騒いでいたこともありましたっけ。

チカちゃんのお部屋に大きな
タンスがおかれました。
おばあちゃんが買ってくれたのです。
タンスの高さはわたくしが
昇ったことのない高さです。
チカちゃんのベッドから
飛び移ってみたら簡単に行けました。

チカちゃんのお部屋全体が見渡せます。
さらにお部屋の外の廊下につながる階段も
見えます。
とてもわくわくしました。
いつも家族の足もとをちょろちょろ
していると思われているわたくしが
お父さんも見下ろせるんですもの。

まだまだ小さかったわたくしですが
誰よりも高いところでは
一番偉くなったように思われたのでした。


わくわくの次はどきどきしました。
だって降りられないんですもの。
昇った時の逆で
チカちゃんのベッドに飛び移れば
いいはずなんですが、
足がすくんでしまうのです。
悲しくなってチカちゃんを呼び、
さらにお父さんに降ろしてもらったのでした。

「井の中の蛙　大海を知らず」
それから、わたくしはそのタンスに
昇っていません。
今なら昇ってさらに降りてくることは
簡単な気もするのですが
お父さんがチカちゃんの荷物を
タンスの上にたくさん載せて
わたくしを昇らせないようにしました。

どうやら降ろしてもらうときに
お父さんに爪を立ててしまったようです。






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■お勧め猫本

「だいちゃんのちびねこ」山本まつ子・文と絵

昭和40年代の味わいを伝えるロングセラー



だいちゃんのちび猫は、食べすぎたばっかりに世界一大きな猫になってしまった。

こんにちは。
くろこです。

おばあちゃんちがリフォームして広くなり
お父さん一家が越してきて
いろいろなお客様がいらっしゃるようになりました。

お客様から見ると
わたくしは真っ黒なので
ちょっととっつきにくそうに
みえるようです。

でもわたくしは臆病なりに
好奇心旺盛ですので
応接間や茶の間にお掛けになっている
お客様の手元や顔の匂いを
わたくしも顔を近づけて
くんくん嗅いでみます。

お客様は猫好きなかた以外は
みなさま戸惑うようですが
一様に「かわいいね」と
おっしゃってくださいます。

わたくしも「この人はおやさしいだろう」と
判断できるとそのかたの
おひざに乗ってみます。
お客様がびっくりして立ち上がらない限り
のどをゴロゴロと鳴らして
寝たふりをします。
たいていのお客様はこれで
わたくしのファンになります。

後から「正直言って猫は苦手だったけれど
くろこちゃんは違う」と
おっしゃるかたもいました。

わたくしもお客様のおひざで
あったかく過ごせるので
ごきげんでした。





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■お勧め猫本

「猫は殺しをかぎつける」リリアン・J・ブラウン著

シャム猫ココのシリーズの邦訳第一作



きっかけはマウス・ハウスでひらかれたディナー・パーティーだった。グルメ記事の担当になった中年の新聞記者クィラランは、そこで昔の恋人と再会した。彼女は今では陶芸家と結婚し、自分も女流陶芸家として活躍していた。ところが、まもなく行方知れずになってしまったのだ。夫婦げんかが原因の家出と思えたのだが…過去に忌まわしい事件があった邸で次々起こる怪事件。新聞記者クィラランは、推理能力を秘めた飼い猫ココとともに驚くべき真相を掘り起こす。アメリカ探偵作家クラブ・ペイパーバック賞候補の猫好きに捧げる新シリーズ第一弾。（「BOOK」データベースより）

こんにちは。
くろこです。

お外へ出たものの、
夜だったし、晩御飯も
まだ戴いてませんので
一回りして帰ることにしました。

ミナちゃんチカちゃんはしばらく
わたくしを探していたようですが
お母さんに御飯を食べるように言われ
お家に入ってしまったようでした。

お庭の植え込みに隠れながら
「にゃー」と声を出してみました。
一回目は気付いてもらえなかったようなので
今度は首を後ろ足で掻いて
首輪の鈴を鳴らしたら
誰かが茶の間の窓から
わたくしを見つけたようです。

すぐにミナちゃんチカちゃんが
外に出てきました。
少し怖かったのでまだ植え込みで
じっとしていました。

ご存知の通り
わたくしは真っ黒なので
ふたりは最初わたくしが
見つかっていないようでした。

お外へ出た後、おふたりの
わたくしの名前を呼ぶ声が
聴こえたのに、わたくしは
戻らなかったので
怒られると思いました。

おふたりは今度は
餌用のお皿にかつおぶしを入れて
出てきました。

匂いにつられて
出てしまったら
乱暴にからだをつかまれて
すぐにお風呂で全身を
洗われてしまったのでした。





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■お勧め猫本

「猫と庄造と二人の女」谷垣潤一郎著

タイトルにも仕掛けが・・・



好きな男が飼い猫をあまりに大切にするためにその猫に嫉妬する2人の女と、その猫の愛らしさをみごとに描いています。猫好きには堪らない一冊！